学齢期ごとにみた肘関節内側障害を有する野球選手の身体機能について

〔要旨〕学齢期の違いから, 肘関節内側障害を有する野球選手の関節可動域・柔軟性, 筋力の特徴を検討した. 対象は中学生133名, 高校生78名とした. 肘関節内側障害の診察(外反ストレステスト, 内側上顆の圧痛点テスト), 関節可動域・柔軟性の測定(肩関節外旋角, 外旋角の対側差, 内旋角, 内旋角の対側差, 水平内転角, 股関節外旋角, 内旋角, 踵殿間距離, 長座体前屈, 上体そらし), 筋力測定(肩関節外転, 外旋, 内旋, 肘関節伸展, 股関節内転, 足把持力)を実施した. 統計処理は, 中学および高校生ごとに, 対応のないt検定を用いて障害の陽性群と陰性群の関節可動域・柔軟性, 筋力...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 26; no. 2; pp. 259 - 264
Main Authors 幸田仁志, 甲斐義浩, 来田宣幸, 松井知之, 東善一, 平本真知子, 瀬尾和弥, 宮崎哲哉, 木田圭重, 森原徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2018
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Summary:〔要旨〕学齢期の違いから, 肘関節内側障害を有する野球選手の関節可動域・柔軟性, 筋力の特徴を検討した. 対象は中学生133名, 高校生78名とした. 肘関節内側障害の診察(外反ストレステスト, 内側上顆の圧痛点テスト), 関節可動域・柔軟性の測定(肩関節外旋角, 外旋角の対側差, 内旋角, 内旋角の対側差, 水平内転角, 股関節外旋角, 内旋角, 踵殿間距離, 長座体前屈, 上体そらし), 筋力測定(肩関節外転, 外旋, 内旋, 肘関節伸展, 股関節内転, 足把持力)を実施した. 統計処理は, 中学および高校生ごとに, 対応のないt検定を用いて障害の陽性群と陰性群の関節可動域・柔軟性, 筋力を比較した. 分析の結果, 高校生の肩関節外旋可動域及び外旋可動域の対側差は, 陰性群と比べて陽性群で有意に低値を示した. 中学生は全ての項目において陽性群と陰性群の間に有意な差は認められなかった. 肘関節内側障害の有無による関節可動域の特徴は学齢期によって異なると示された.
ISSN:1346-4159