血管内超音波検査が浸潤範囲の診断に有用であった肝腫瘍の2例
下大静脈に接する肝腫瘍の2例に対し, 下大静脈血管内超音波検査を施行し, 浸潤の有無を術前診断した. 症例1は, 60歳の男性で肝硬変に発症したS8の肝細胞癌であった. 画像診断にて下大静脈への浸潤が疑われたため, 術前血管内超音波検査を施行した. 所見として血管のechogenic bandが保持されており, 浸潤と診断した. 手術にて下大静脈への浸潤を認めず肝右葉切除術を施行した. 症例2は, 72歳の男性. 肝S7の胆管細胞癌にて, 下大静脈浸潤が疑われたため, 術前血管内超音波検査を施行した. 一部壁の呼吸性移動が乏しかったが, echogenic bandが保持されていたため剥離可能...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 8; pp. 1834 - 1837 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.08.1995
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Summary: | 下大静脈に接する肝腫瘍の2例に対し, 下大静脈血管内超音波検査を施行し, 浸潤の有無を術前診断した. 症例1は, 60歳の男性で肝硬変に発症したS8の肝細胞癌であった. 画像診断にて下大静脈への浸潤が疑われたため, 術前血管内超音波検査を施行した. 所見として血管のechogenic bandが保持されており, 浸潤と診断した. 手術にて下大静脈への浸潤を認めず肝右葉切除術を施行した. 症例2は, 72歳の男性. 肝S7の胆管細胞癌にて, 下大静脈浸潤が疑われたため, 術前血管内超音波検査を施行した. 一部壁の呼吸性移動が乏しかったが, echogenic bandが保持されていたため剥離可能と診断した. 手術にて, 炎症性癒着を認めるものの浸潤を認めず, 肝右葉切除術を施行した. 下大静脈血管内超音波検査は, 下大静脈に接する肝腫瘍の下大静脈への浸潤の有無を正確に診断でき, 術式決定に有用であった. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.28.1834 |