発育期コリジョンスポーツ選手における腰椎分離症の解析

〔要旨〕【背景】スポーツ別における腰椎分離症のまとまった報告は少ない. 今回我々は発育期のコリジョンスポーツ選手における腰椎分離症について報告する. 【方法】2014年4月から2018年12月までの期間に当院を受診した分離症患者の中から, コリジョンスポーツ選手を抽出し, 診療録を後ろ向きに解析した. 【結果】コリジョンスポーツ選手は22例38か所 (男女比19 : 3) であり, 内訳は柔道8例, 空手7例, レスリング3例, テコンドー2例, ラグビー1例, アイスホッケー1例であった. 両側が14例, 片側が8例であり罹患高位はL3 : 1か所, L4 : 9か所, L5 : 28か所で...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 28; no. 1; pp. 46 - 53
Main Authors 奥脇駿, 辰村正紀, 飛田広大, 武井隼児, 松浦智史, 照屋翔太郎, 河村季生, 江藤文彦, 塚越祐太, 小川健, 万本健生, 平野篤, 山崎正志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2020
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕【背景】スポーツ別における腰椎分離症のまとまった報告は少ない. 今回我々は発育期のコリジョンスポーツ選手における腰椎分離症について報告する. 【方法】2014年4月から2018年12月までの期間に当院を受診した分離症患者の中から, コリジョンスポーツ選手を抽出し, 診療録を後ろ向きに解析した. 【結果】コリジョンスポーツ選手は22例38か所 (男女比19 : 3) であり, 内訳は柔道8例, 空手7例, レスリング3例, テコンドー2例, ラグビー1例, アイスホッケー1例であった. 両側が14例, 片側が8例であり罹患高位はL3 : 1か所, L4 : 9か所, L5 : 28か所であった. 病期分類は初期評価ができなかった5か所を除き, 水平断分類で分離前期3か所, 初期6か所, 進行期8か所, 末期16か所, 矢状断分類で0期3か所, 1a期1か所, 1b期4か所, 1c期6か所, 2期3か所, 3期16か所であった. 潜在性二分脊椎は12例に認めた. 経過観察し得た16例のうち, 骨癒合の見込みのある9例15か所中, 5例8か所で骨癒合が確認できた. 【考察】今回の研究では分離部ごとの骨癒合率は53%と過去の報告と比較して低く, 2例は再発していることからコリジョンスポーツ選手における腰椎分離症はその他のスポーツと比べて難治性である可能性が示唆された.
ISSN:1346-4159