青少年の腰椎分離症における両側分離の骨癒合率 - 対側病変の病期が骨癒合に及ぼす影響

〔要旨〕腰椎分離症における両側分離は片側分離と比較し保存治療の骨癒合率が劣る. 両側分離における対側病変の病期が骨癒合に及ぼす影響を検討したので報告する. MRIのSTIR像で椎弓根に高信号変化を伴う病変を新鮮腰椎分離症と診断し, 対側の末期病変を含み両側に病変を認める39例62分離(平均13.8歳, 男性30例, 女性9例)を対象とした. 保存療法を行い対側病変の病期別の骨癒合率を検討した. 対側病変の病期別の骨癒合率は, 対側分離前期87.5%, 対側初期78.9%, 対側進行期71.4%, 対側末期23.1%であった. 両側分離において, 主病変の病期よりも対側病変の病期が骨癒合率に影響...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 27; no. 1; pp. 34 - 40
Main Authors 蒲田久典, 辰村正紀, 塚越祐太, 武井隼児, 石本立, 江藤文彦, 小川健, 万本健生, 平野篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2019
Online AccessGet full text
ISSN1346-4159

Cover

More Information
Summary:〔要旨〕腰椎分離症における両側分離は片側分離と比較し保存治療の骨癒合率が劣る. 両側分離における対側病変の病期が骨癒合に及ぼす影響を検討したので報告する. MRIのSTIR像で椎弓根に高信号変化を伴う病変を新鮮腰椎分離症と診断し, 対側の末期病変を含み両側に病変を認める39例62分離(平均13.8歳, 男性30例, 女性9例)を対象とした. 保存療法を行い対側病変の病期別の骨癒合率を検討した. 対側病変の病期別の骨癒合率は, 対側分離前期87.5%, 対側初期78.9%, 対側進行期71.4%, 対側末期23.1%であった. 両側分離において, 主病変の病期よりも対側病変の病期が骨癒合率に影響しており, 対側病変の病期が進行するほど骨癒合率は低下していた. 特に主病変進行期, 対側末期の症例は全例が偽関節化していた. 対側病変も評価し, 骨癒合の可能性が非常に低い病変においては長期間の運動制限が必要な保存療法よりも, 疼痛管理を中心とした運動継続も考慮すべきである.
ISSN:1346-4159