採用後に発達障害が把握された従業員の人事担当者からみた職場適応上の問題

「要約」本研究は, 採用後に発達障害が把握された従業員の人事担当者からみた職場適応上の問題や発達障害を把握した上で採用した従業員との雇用管理上の違いを明らかにすることを目的とした. 障害者雇用状況報告の対象企業3,456社(回収率23.2%)から得られた回答を基に, 職場適応上の問題の構造を探索的因子分析により明らかにした. 職場適応上の問題は, 職務遂行上の困難さ, 対人関係やルールの理解の困難さ, 基礎学力や生活習慣の困難さの3因子で構成された. また自由記述で得られた結果から, 発達障害を把握した上で採用した従業員との雇用管理上の違いとして, 当該従業員の職務遂行能力と担当職務のミスマッ...

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Published in職業リハビリテーション Vol. 38; no. 1; pp. 22 - 29
Main Authors 石原まほろ, 佐藤涼矢, 永登大和, 安房竜矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本職業リハビリテーション学会 30.09.2024
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ISSN0915-0870

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Summary:「要約」本研究は, 採用後に発達障害が把握された従業員の人事担当者からみた職場適応上の問題や発達障害を把握した上で採用した従業員との雇用管理上の違いを明らかにすることを目的とした. 障害者雇用状況報告の対象企業3,456社(回収率23.2%)から得られた回答を基に, 職場適応上の問題の構造を探索的因子分析により明らかにした. 職場適応上の問題は, 職務遂行上の困難さ, 対人関係やルールの理解の困難さ, 基礎学力や生活習慣の困難さの3因子で構成された. また自由記述で得られた結果から, 発達障害を把握した上で採用した従業員との雇用管理上の違いとして, 当該従業員の職務遂行能力と担当職務のミスマッチの調整困難, 当該従業員を理解し配慮を講じることができる体制づくりの困難さ, 当該従業員の課題への対処困難, 雇用形態や待遇等での他の従業員との平等性の確保の困難さが示された. 得られた結果から, 当該従業員に対する合理的配慮提供の必要性について論じた.
ISSN:0915-0870