人工股関節全置換術におけるステム挿入時の骨性指標の検討 - 3D術前計画ソフト "Athena" を用いて

「はじめに」人工股関節全置換術 (以下THA) において, ステム前捻角決定の術中指標としては膝蓋骨の向きや下腿の長軸方向等が一般的に広く用いられている. しかし, これらは術野から遠い指標であり, ばらつきが大きく精度は低いとする報告が多い. 術中に確認できる術野内の指標としては, 骨切り面の大腿骨頸部内側骨髄腔頂点が挙げられる. 本研究の目的は, THAにおいて大腿骨頸部内側骨髄腔頂点に向けてステムを挿入した際のステム前捻角と実際の大腿骨頸部前捻角との差異を調査し, しばしば頸部骨切りの指標とされる小転子1cm近位レベルにおける大腿骨頸部内側骨髄腔頂点が術中局所指標になり得るか検討すること...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 33; no. 4; pp. 443 - 448
Main Authors 市村竜治, 近藤誠, 日隈康雄, 埜口貴弘, 泊一秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2014
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Summary:「はじめに」人工股関節全置換術 (以下THA) において, ステム前捻角決定の術中指標としては膝蓋骨の向きや下腿の長軸方向等が一般的に広く用いられている. しかし, これらは術野から遠い指標であり, ばらつきが大きく精度は低いとする報告が多い. 術中に確認できる術野内の指標としては, 骨切り面の大腿骨頸部内側骨髄腔頂点が挙げられる. 本研究の目的は, THAにおいて大腿骨頸部内側骨髄腔頂点に向けてステムを挿入した際のステム前捻角と実際の大腿骨頸部前捻角との差異を調査し, しばしば頸部骨切りの指標とされる小転子1cm近位レベルにおける大腿骨頸部内側骨髄腔頂点が術中局所指標になり得るか検討することである. 「方法」2012年1月から2013年4月までに当院で人工膝関節全置換術前に大腿骨全長CTを施行した股関節症変化のない79例120肢 (男性15例22肢, 女性64例98肢, 手術時平均年齢は75±7歳) を対象とした.
ISSN:1883-2873