上肢振戦に対する機能性自助具スプーンLiftware(R)の効果 - 食事動作のビデオ分析から

「要旨:」目的:本態性振戦の抑制効果のある機能的自助具スプーンLiftware(R)(LW)の他の震えに対する抑制効果の有無を調べた. 対象と方法:食事動作に震えがある視神経脊髄炎患者1名が, 通常スプーンとLWを用いた食事動作のビデオ記録を行い, スプーン軌跡をオフラインで分析した. 結果:患者は好意的評価を下したが, 軌跡分析ではスプーンの速度信号は前進と減速・停止を繰り返す断続的パターンを示し, 一定の周波数を持たなかった. LWの振戦抑制効果は見られなかった. 考察:一定の周波数をもたず前進と停止・減速を繰り返すパターンの震えではLWの効果は明らかでない可能性がある....

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Published in運動障害 Vol. 31; no. 1; pp. 19 - 24
Main Authors 伊藤誠一, 椎名綾美, 栗田千枝, 土居一哉, 松崎研一郎, 長岡正範
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本運動障害研究会 10.07.2021
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ISSN0917-5601

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Summary:「要旨:」目的:本態性振戦の抑制効果のある機能的自助具スプーンLiftware(R)(LW)の他の震えに対する抑制効果の有無を調べた. 対象と方法:食事動作に震えがある視神経脊髄炎患者1名が, 通常スプーンとLWを用いた食事動作のビデオ記録を行い, スプーン軌跡をオフラインで分析した. 結果:患者は好意的評価を下したが, 軌跡分析ではスプーンの速度信号は前進と減速・停止を繰り返す断続的パターンを示し, 一定の周波数を持たなかった. LWの振戦抑制効果は見られなかった. 考察:一定の周波数をもたず前進と停止・減速を繰り返すパターンの震えではLWの効果は明らかでない可能性がある.
ISSN:0917-5601