回復期脳卒中患者におけるロボットスーツHAL(R) (Hybrid Assistive Limb(R)) 福祉用を用いた歩行練習の適応症例およびQOLと気分や感情に対する効果の検討 - ランダム化比較試験の結果から

要旨: 〔目的〕回復期脳卒中片麻痺患者におけるロボットスーツHAL(R)を用いた歩行練習の適応症例およびQOLと気分や感情に対する効果について検証すること. 〔対象と方法〕脳卒中片麻痺患者24名を2群に無作為に割り付け, HAL(R)群はHAL(R)を使用した歩行練習, コントロール群は平地歩行練習を週3回合計12回実施し, 開始時と終了時に各評価を実施した. 〔結果〕介入後, HAL(R)群の方が有意に歩行自立度が向上した. 一方で, 12名中4名は終了時評価においても介助歩行であり, HAL(R)の適応とはなりにくい症例であった. 〔結語〕HAL(R)を使用した歩行練習は, 脳卒中片麻痺患...

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Published in理学療法科学 Vol. 31; no. 5; pp. 733 - 742
Main Authors 渡邉大貴, 後藤亮平, 田中直樹, 金森毅繁, 柳久子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 20.10.2016
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ISSN1341-1667

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Summary:要旨: 〔目的〕回復期脳卒中片麻痺患者におけるロボットスーツHAL(R)を用いた歩行練習の適応症例およびQOLと気分や感情に対する効果について検証すること. 〔対象と方法〕脳卒中片麻痺患者24名を2群に無作為に割り付け, HAL(R)群はHAL(R)を使用した歩行練習, コントロール群は平地歩行練習を週3回合計12回実施し, 開始時と終了時に各評価を実施した. 〔結果〕介入後, HAL(R)群の方が有意に歩行自立度が向上した. 一方で, 12名中4名は終了時評価においても介助歩行であり, HAL(R)の適応とはなりにくい症例であった. 〔結語〕HAL(R)を使用した歩行練習は, 脳卒中片麻痺患者の歩行自立度を向上させる可能性が示唆された. しかし, 重度片麻痺や複数の高次脳機能障害を呈する症例は, HAL(R)の適応とはなりにくい可能性があると思われた.
ISSN:1341-1667