TKAにおける大腿骨遠位端骨切りレベルの違いによる大腿骨後顆overhang量の検討 - 大腿骨顆部形状を再現するための提案

「はじめに」 人工膝関節全置換術(以下TKA)において後十字靭帯切除型, 温存型いずれの機種でも大腿骨コンポーネントの矢状面におけるデザインは全ての機種で同一であり, 大腿骨遠位端の骨切りは, 通常コンポーネントの厚み分切除される. しかしTKAを施行される症例では大腿骨遠位端の関節症変化が著しく, 元の関節面の同定は困難なことが多い. このためコンポーネントの厚み分の骨切りでは, 術後のjoint lineの上昇や大腿骨内外側後顆での大腿骨コンポーネントの近位方向へのoverhang量が増加する可能性がある. Joint lineの上昇や大腿骨コンポーネントのoverhangはTKAの術後成...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 51 - 57
Main Authors 埜口貴弘, 近藤誠, 泊一秀, 日隈康雄, 市村竜治, 平川雅士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2015
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Summary:「はじめに」 人工膝関節全置換術(以下TKA)において後十字靭帯切除型, 温存型いずれの機種でも大腿骨コンポーネントの矢状面におけるデザインは全ての機種で同一であり, 大腿骨遠位端の骨切りは, 通常コンポーネントの厚み分切除される. しかしTKAを施行される症例では大腿骨遠位端の関節症変化が著しく, 元の関節面の同定は困難なことが多い. このためコンポーネントの厚み分の骨切りでは, 術後のjoint lineの上昇や大腿骨内外側後顆での大腿骨コンポーネントの近位方向へのoverhang量が増加する可能性がある. Joint lineの上昇や大腿骨コンポーネントのoverhangはTKAの術後成績に悪影響を及ぼすことが報告されている. 高度に変形した症例でも大腿骨顆間最深部は荷重部でないため関節症性変化が少なく, 同定が比較的容易で大腿骨遠位端骨切りの指標として有用な可能性がある.
ISSN:1883-2873