手術室の聴診器の汚染度 - その聴診器を使いますか?

「要旨」「目的:」手術室の聴診器は, 気管挿管の確認や呼吸音の聴診に用いる. 手術室の聴診器の汚染度を調べた. 「方法:」成人用の聴診器14個をルミテスターSmart(R)を用いて膜型部とイヤピースを測定した. また酒精綿を用いて10秒間同部を拭き, 再度測定した. 結果は中央値で表し, Wilcoxon符号付順位和検定を行いp<0.05を有意差ありとした. 「結果:」膜型部の拭き取り前の汚染度は1,370RLUであり, 後101.5RLUであった. また, イヤピースは前5,970.5RLU, 後362.5RLUであった. イヤピースは膜型面より有意に汚染されていた. 「考察:」麻酔科...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 27; no. 6; pp. 746 - 750
Main Authors 安永天音, 小野内汐美, 大山清実広, 星野凪沙, 大橋一孝, 吉田圭佑, 三澤友誉, 岩渕雅洋, 小野寺誠, 伊関憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床救急医学会 01.12.2024
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Summary:「要旨」「目的:」手術室の聴診器は, 気管挿管の確認や呼吸音の聴診に用いる. 手術室の聴診器の汚染度を調べた. 「方法:」成人用の聴診器14個をルミテスターSmart(R)を用いて膜型部とイヤピースを測定した. また酒精綿を用いて10秒間同部を拭き, 再度測定した. 結果は中央値で表し, Wilcoxon符号付順位和検定を行いp<0.05を有意差ありとした. 「結果:」膜型部の拭き取り前の汚染度は1,370RLUであり, 後101.5RLUであった. また, イヤピースは前5,970.5RLU, 後362.5RLUであった. イヤピースは膜型面より有意に汚染されていた. 「考察:」麻酔科医は手術室に備え付けられている聴診器を用いる. 手術ごとで麻酔科医は交代するため, 同じ部屋であっても別の麻酔科医が聴診器を用いることがある. 膜型部よりもイヤピースが汚染されており, 膜型部は手術後に清拭されたがイヤピースは少ないためと考えられた. 「結論:」麻酔科医は症例ごとに聴診器全体を消毒剤で清拭すべきである.
ISSN:1345-0581