Alendronate誘導histidine decarboxylase(HDC)に対する非可逆的HDC inhibitorの効果

[目的]骨吸収抑制薬のaminobisphosphonates(ABPs)は臨床的に炎症性の副作用をもたらし, マウスでは, IL-1を介して種々の組織にヒスタミン合成酵素histidine decarboxylase(HDC)を誘導する. ABPsにより誘導されるHDC活性は著しく持続的である, LPSやIL-1の投与もHDCを誘導するが一過性である. 本研究では, ABPsによる持続的HDC活性上昇の機序を, 非可逆的HDC阻害薬α-fluoromethylhistidine(FMH)を用いて検討した. [方法]BALB/cマウスにABPとしてalendronate(A)を投与(40μmo...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 43; no. 5; p. 615
Main Author 遠藤康男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 20.08.2001
Japanese Association for Oral Biology
Online AccessGet full text
ISSN0385-0137

Cover

More Information
Summary:[目的]骨吸収抑制薬のaminobisphosphonates(ABPs)は臨床的に炎症性の副作用をもたらし, マウスでは, IL-1を介して種々の組織にヒスタミン合成酵素histidine decarboxylase(HDC)を誘導する. ABPsにより誘導されるHDC活性は著しく持続的である, LPSやIL-1の投与もHDCを誘導するが一過性である. 本研究では, ABPsによる持続的HDC活性上昇の機序を, 非可逆的HDC阻害薬α-fluoromethylhistidine(FMH)を用いて検討した. [方法]BALB/cマウスにABPとしてalendronate(A)を投与(40μmol/kg, i. p. )し, 3日後, 種々の組織のHDc活性におよぼすFMH(i. p. )の効果をた調べた. [結果](i)マウス骨髄は正常でも高いHDC活性を維持している. この正常骨髄HDC活性は25mg/kgのFMHでほぼ完全に消失したが, 24時間後, HDC活性はもとのレベルに回復した. (ii)Aにより骨髄, 脾臓, 肝臓, 肺に誘導されたHDCも同じ用量のFMHでほとんど消失したが, 肺以外のHDC活性は24時間後ほぼもとのレベルに回復した. 肺での回復はわずかであった. [考察]これらの結果は, Aによる持続的HDC活性上昇は, HDCのde novo合成の持続的亢進によることを示唆する.
ISSN:0385-0137