栃木県足利赤十字病院における3年間 (2017~2019年) のマダニ刺症72例の検討 - タカサゴキララマダニ刺症62例を中心に
「緒言」日本本土において, 中・大型哺乳類の体表から採集されやすいマダニ18種の分類法が報告されている. その中で, 南方系の種であるタカサゴキララマダニ Amblyomma testudinarium Koch は, 九州から中部地方を中心に, 関東以西でヒト刺症に至る種として集計され, ヒトに対し紅斑熱群リケッチアや重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)を媒介する可能性がある. 栃木県内の医師が過去に報告したタカサゴキララマダニ刺症は, 静岡県内刺症推定例の会議録を経て, 症例報告とした1例があるが, 県内刺症例の報告はなかった. 栃木県足利赤十字病院では, 日常的に衛生動物関連の...
Saved in:
Published in | Medical Entomology and Zoology Vol. 71; no. 3; pp. 219 - 223 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本衛生動物学会
25.09.2020
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「緒言」日本本土において, 中・大型哺乳類の体表から採集されやすいマダニ18種の分類法が報告されている. その中で, 南方系の種であるタカサゴキララマダニ Amblyomma testudinarium Koch は, 九州から中部地方を中心に, 関東以西でヒト刺症に至る種として集計され, ヒトに対し紅斑熱群リケッチアや重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)を媒介する可能性がある. 栃木県内の医師が過去に報告したタカサゴキララマダニ刺症は, 静岡県内刺症推定例の会議録を経て, 症例報告とした1例があるが, 県内刺症例の報告はなかった. 栃木県足利赤十字病院では, 日常的に衛生動物関連の受診(ハチ刺症, ムカデ咬症, マムシ咬症)はあり, 市北部里山でのツツガムシ病も経験していたが, 2015年頃からマダニ刺症例が目立つようになった. |
---|---|
ISSN: | 0424-7086 |