変形性膝関節症有病者における血清ヒアルロン酸濃度と膝症状の経時的変化 - 3年間の追跡調査から

「はじめに」変形性膝関節症 (以下膝OA) は有病率が高く, その有病者数は2530万人にも上ると推定されている. 膝OAの進行により持続する疼痛や歩行障害, それに起因する活動量の低下と転倒, 寝たきりへの移行は社会経済的にも大きな問題であり, 膝OAの早期発見と進行予防の重要性が指摘されている. 現在, 膝OAの診断は疼痛や腫脹といった臨床症状に加え, 画像診断によりなされることが多い. しかし, X線画像は感度が低く, 初期の関節症性変化や滑膜炎の程度を評価することは困難である. 一方, MRIによる診断評価は感度が高いものの, common diseaseである膝OAの診断ツールとして...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 32; no. 4; pp. 441 - 448
Main Authors 佐々木英嗣, 津田英一, 山本祐司, 前田周吾, 石橋恭之, 高橋一平, 梅田孝, 中路重之, 井上亮, 藤田寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2013
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Summary:「はじめに」変形性膝関節症 (以下膝OA) は有病率が高く, その有病者数は2530万人にも上ると推定されている. 膝OAの進行により持続する疼痛や歩行障害, それに起因する活動量の低下と転倒, 寝たきりへの移行は社会経済的にも大きな問題であり, 膝OAの早期発見と進行予防の重要性が指摘されている. 現在, 膝OAの診断は疼痛や腫脹といった臨床症状に加え, 画像診断によりなされることが多い. しかし, X線画像は感度が低く, 初期の関節症性変化や滑膜炎の程度を評価することは困難である. 一方, MRIによる診断評価は感度が高いものの, common diseaseである膝OAの診断ツールとしては費用や時間の面からも汎用性に乏しい. 近年, より簡便で安価に膝OAの構造変化や滑膜炎の状態を評価, 予後予測するための手段としてbiomarkerが注目されている.
ISSN:1883-2873