Jリーグ選手の膝前十字靱帯再建後の復帰について~膝最大伸展位での移植腱固定による靱帯再建術

〔要旨〕21名のJリーグ選手に前十字靭帯 (以下ACL) 再建を行い, 移植腱の膝最大伸展位固定 (maximum extended fixation以下MEF)による利点と安定性について検討した. 19例の初回ACL再建手術は膝屈筋腱で, 2例の再再建は骨付き膝蓋腱で行なった. 1998~2015年の9名中3名は手術後平均7.7 (5-12) シーズン後引退した. 6名は現役で平均8 (5-14) シーズンを続行中である. 2016年以降の12名は復帰時期, 伸展制限解消期間, 脛骨前方移動患健差, 伸展筋力比を調査した. 平均6.6 (5.5-8) ヵ月で再断裂なく復帰した. 脛骨前方移動...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 1; pp. 269 - 273
Main Authors 内山英司, 山口玲, 小林将貴, 眞田高起, 深井厚, 今屋健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2022
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕21名のJリーグ選手に前十字靭帯 (以下ACL) 再建を行い, 移植腱の膝最大伸展位固定 (maximum extended fixation以下MEF)による利点と安定性について検討した. 19例の初回ACL再建手術は膝屈筋腱で, 2例の再再建は骨付き膝蓋腱で行なった. 1998~2015年の9名中3名は手術後平均7.7 (5-12) シーズン後引退した. 6名は現役で平均8 (5-14) シーズンを続行中である. 2016年以降の12名は復帰時期, 伸展制限解消期間, 脛骨前方移動患健差, 伸展筋力比を調査した. 平均6.6 (5.5-8) ヵ月で再断裂なく復帰した. 脛骨前方移動患健差の絶対値は平均0.84mmであった. 膝伸展筋力 (60 deg/sec) の患健比平均は94 (80-106) %であった. 移植腱のMEFは伸展制限を残さず, 安定性も損なうことなく早期復帰が可能であり, 再断裂することなく長期にわたり活動性を確保していた.
ISSN:1346-4159