学生アスリートにおけるスポーツ外傷・障害受傷後の競技復帰に関する主観的満足度に及ぼす要因~競技からの長期離脱者に注目して

〔要旨〕本研究は競技活動からの長期離脱を要した者を対象とし, 競技復帰の主観的な満足度に影響を与える要因を検討した. 対象は大学及び専門学校1年生とし, 調査票の回答率は99.3% (1076名中1069名) であった. 調査内容は高校3年間におけるスポーツ外傷・障害による競技休止中の状況に関する質問 (19項目) とした. 回答結果から, 競技復帰を「成功体験」ととらえている者 (343名) を分析対象とした. 離脱期間の中央値+0.25四分位偏差以上の者を長期離脱者 (127名) とし, 主観的満足度の高値群と低値群を目的変数調査票の19項目を説明変数としてロジスティック回帰分析を行った....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 1; pp. 279 - 284
Main Authors 平田昂大, 山本利春, 笠原政志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2022
Online AccessGet full text
ISSN1346-4159

Cover

More Information
Summary:〔要旨〕本研究は競技活動からの長期離脱を要した者を対象とし, 競技復帰の主観的な満足度に影響を与える要因を検討した. 対象は大学及び専門学校1年生とし, 調査票の回答率は99.3% (1076名中1069名) であった. 調査内容は高校3年間におけるスポーツ外傷・障害による競技休止中の状況に関する質問 (19項目) とした. 回答結果から, 競技復帰を「成功体験」ととらえている者 (343名) を分析対象とした. 離脱期間の中央値+0.25四分位偏差以上の者を長期離脱者 (127名) とし, 主観的満足度の高値群と低値群を目的変数調査票の19項目を説明変数としてロジスティック回帰分析を行った. その結果, 「休止期間中の練習の休みやすさ」の回答で有意に関連性がみられ, 長期間離脱者における満足度高値群では, 適切に休みを取りやすい環境であると捉えており, 低値群では休みがとりづらく, 無理をしてしまう環境と捉えていることが明らかとなった.
ISSN:1346-4159