絞扼性イレウスを併発した虫垂粘液嚢胞腺腫の1例

症例は61歳,男性.腹痛にて近医を受診され,下腹部に腫瘤を指摘された.痛みは一旦軽快したが,数日後下腹部痛,腹部膨満出現したため当科紹介となった.腹部CT検査にて盲腸から連続する4×10cmのcysticmass lesionを認めた.小腸は著明に拡張してイレウス像を呈し,腹水も認め,絞扼性イレウスが疑われたが,腫瘤との因果関係は不明であった.緊急手術を施行したところ,虫垂が著明に腫大,先端がS状結腸に癒着し,その間隙に回腸がはまり込んで絞扼されていた.変色回腸を含めて回盲部切除術を施行した.病理組織学的検査より虫垂粘液嚢胞腺腫と診断された.腸重積によるイレウスを併発した虫垂粘液嚢胞腺腫の報告...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 1; pp. 118 - 121
Main Authors 蓮尾, 友伸, 岩槻, 政晃, 倉本, 正文, 石原, 光二郎, 池嶋, 聡, 吉田, 光宏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.118

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Summary:症例は61歳,男性.腹痛にて近医を受診され,下腹部に腫瘤を指摘された.痛みは一旦軽快したが,数日後下腹部痛,腹部膨満出現したため当科紹介となった.腹部CT検査にて盲腸から連続する4×10cmのcysticmass lesionを認めた.小腸は著明に拡張してイレウス像を呈し,腹水も認め,絞扼性イレウスが疑われたが,腫瘤との因果関係は不明であった.緊急手術を施行したところ,虫垂が著明に腫大,先端がS状結腸に癒着し,その間隙に回腸がはまり込んで絞扼されていた.変色回腸を含めて回盲部切除術を施行した.病理組織学的検査より虫垂粘液嚢胞腺腫と診断された.腸重積によるイレウスを併発した虫垂粘液嚢胞腺腫の報告例は散見されるが,絞扼性イレウスを併発した報告はほとんどなく,極めて稀な症例であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.118