急性心筋梗塞を合併した腹部大動脈瘤破裂の一期的同時手術例

症例は65歳男性. 腹痛を主訴に来院. また来院直後より胸痛が出現しECG所見では, V1-3誘導でST上昇が認められた. 緊急CTおよびCAG施行した結果, 急性心筋梗塞を合併した腹部大動脈瘤 (AAA) 破裂と診断し緊急手術を施行した. 手術は体外循環下に冠状動脈バイパス術 (CABG) を行った後, 補助循環中にAAA切除, 人工血管 (Yグラフト) 置換を行った. また慢性腎不全患者であったため術中透析を行った. 本術式は体外循環中にAAA手術を行うため大動脈周囲の操作は極めて容易であり, また心配された出血のコントロールも容易であったため本症例のように心機能低下を伴う虚血性心疾患 (...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 28; no. 3; pp. 170 - 173
Main Authors 木下, 肇彦, 藤井, 英樹, 水元, 亨, 平岩, 卓根
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.05.1999
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.28.170

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Summary:症例は65歳男性. 腹痛を主訴に来院. また来院直後より胸痛が出現しECG所見では, V1-3誘導でST上昇が認められた. 緊急CTおよびCAG施行した結果, 急性心筋梗塞を合併した腹部大動脈瘤 (AAA) 破裂と診断し緊急手術を施行した. 手術は体外循環下に冠状動脈バイパス術 (CABG) を行った後, 補助循環中にAAA切除, 人工血管 (Yグラフト) 置換を行った. また慢性腎不全患者であったため術中透析を行った. 本術式は体外循環中にAAA手術を行うため大動脈周囲の操作は極めて容易であり, また心配された出血のコントロールも容易であったため本症例のように心機能低下を伴う虚血性心疾患 (IHD) とAAA合併例には有用な術式と考えられた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.28.170