野球打撃動作における腰部回旋挙動解析

〔要旨〕本研究の目的は打撃動作時における腰部回旋角度を分析し, 競技経験において比較検討することとした. 大学1部リーグに所属する野球選手(BAS)7名と野球経験のない大学生(CON)9名を対象とした. 動作課題はティーバッティングを行った. 検討項目は磁気センサー式三次元空間計測装置による胸腰部の挙動解析, 動作分析機器により肩峰, 大転子, 骨盤の回旋と捻転の関節角度および角速度, バッティングのスイングスピードの違いを検討した. その結果, 腰部はBAS, CONともに約20°回旋していた. また腰部最大回旋角度出現時間にBASとCONで差がみられた. 打撃動作分析では捻転角度がBAS,...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 27; no. 1; pp. 11 - 19
Main Authors 田口直樹, 金岡恒冶, 泉重樹, 宮川俊平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2019
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕本研究の目的は打撃動作時における腰部回旋角度を分析し, 競技経験において比較検討することとした. 大学1部リーグに所属する野球選手(BAS)7名と野球経験のない大学生(CON)9名を対象とした. 動作課題はティーバッティングを行った. 検討項目は磁気センサー式三次元空間計測装置による胸腰部の挙動解析, 動作分析機器により肩峰, 大転子, 骨盤の回旋と捻転の関節角度および角速度, バッティングのスイングスピードの違いを検討した. その結果, 腰部はBAS, CONともに約20°回旋していた. また腰部最大回旋角度出現時間にBASとCONで差がみられた. 打撃動作分析では捻転角度がBAS, CONともに約100°前後であった. このことからBASとCONともに打撃動作の大部分は脊柱以外の動きによって行われ, 技術レベルにかかわらず脊柱に同じような負荷がかかっていると推察される. しかし, BASとCONの腰部最大回旋角度出現時間で差があったことから, 打撃フォームの違いによって脊柱への負荷のかかり方には違いがあると推察される.
ISSN:1346-4159