膝前十字靭帯再建術後の同側損傷・反対側損傷の性差

〔要旨〕若年者や活動性の高い症例におけるACL再建術後の同側・反対側損傷への性別の影響を把握することを目的に, 当院にて膝屈筋腱による初回ACL再建術を施行した学生で競技スポーツに復帰した174例を対象とし, 同側・反対側損傷の頻度, 損傷時期, スポーツ復帰時の等速性筋力の患健比, H/Q比を男女間で比較した. 同側損傷は男女とも術後1年以内に多く, 性差はなかった. 反対側損傷は男性1.9%・女性14.0%で女性が有意に多く, オッズ比は8.5であった. H/Q比は女性が有意に低かった. 初発のACL損傷同様に反対側損傷においても性差がみられ, 今後は性別ごとにリスクファクターや再発予防介...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 23; no. 3; pp. 496 - 502
Main Authors 川島達宏, 大見頼一, 尹成祚, 長妻香織, 金子雅志, 栗原智久, 十井朋美, 吉本真純, 関大輔, 國田泰弘, 井上拓海, 栗山節郎, 星田隆彦, 都賀誠二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2015
Online AccessGet full text
ISSN1346-4159

Cover

More Information
Summary:〔要旨〕若年者や活動性の高い症例におけるACL再建術後の同側・反対側損傷への性別の影響を把握することを目的に, 当院にて膝屈筋腱による初回ACL再建術を施行した学生で競技スポーツに復帰した174例を対象とし, 同側・反対側損傷の頻度, 損傷時期, スポーツ復帰時の等速性筋力の患健比, H/Q比を男女間で比較した. 同側損傷は男女とも術後1年以内に多く, 性差はなかった. 反対側損傷は男性1.9%・女性14.0%で女性が有意に多く, オッズ比は8.5であった. H/Q比は女性が有意に低かった. 初発のACL損傷同様に反対側損傷においても性差がみられ, 今後は性別ごとにリスクファクターや再発予防介入効果を検討していく必要がある.
ISSN:1346-4159