中学から高校時代に長期の無月経を呈した大学女子長距離走選手のFemale Athlete Triadおよび疲労骨折発症回数の検討
〔要旨〕本研究は, 大学女子長距離走選手の思春期にあたる12歳から18歳(以下, 中学から高校時代)に着目し, Female Athlete Triad(以下, FAT)ならびにエネルギー不足の原因となった内的及び外的因子の状況, また現在までの疲労骨折発生状況についてアンケート調査を行った. そして, アンケート結果を用いAmerican College of Sports MedicineのCumulative Risk Assessment score(以下, CRAs)によるFATの重症度評価を行った. さらに, 対象者を中学から高校時代に1年以上無月経を経験した群(長期無月経群)と正...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 27; no. 2; pp. 242 - 249 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
30.04.2019
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 〔要旨〕本研究は, 大学女子長距離走選手の思春期にあたる12歳から18歳(以下, 中学から高校時代)に着目し, Female Athlete Triad(以下, FAT)ならびにエネルギー不足の原因となった内的及び外的因子の状況, また現在までの疲労骨折発生状況についてアンケート調査を行った. そして, アンケート結果を用いAmerican College of Sports MedicineのCumulative Risk Assessment score(以下, CRAs)によるFATの重症度評価を行った. さらに, 対象者を中学から高校時代に1年以上無月経を経験した群(長期無月経群)と正常・希発月経群の2群に分け, アンケート結果やCRAsを比較検討した. その結果, 長期無月経群はBody Mass Indexと腰椎骨密度(BMD)が有意に低く, エネルギー不足の原因として減量経験のある選手が有意に多かった. また, 長期無月経群はCRAsのエネルギー不足ならびに%Estimated Weight(以下, %EW)の得点が有意に高く, 83%の選手がFATのハイリスク群に該当した. さらに, 疲労骨折発症回数が多い選手ほどCRAsの総点数が高かった. 本研究結果より, 中学から高校時代に長期の無月経を呈した選手は, 減量に伴うFATの重症化が生じ, そのような選手ほど大学時代の疲労骨折発生リスクが高まることが示唆された. |
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ISSN: | 1346-4159 |