ハンセン病治療指針 (第4版)

日本ハンセン病学会・治療指針ワーキンググループ (指針WG) では, 学会としての標準的なハンセン病治療指針を2000年に作成し, 2006年と2013年に改訂を行った. 今回の改訂では, この間の関連文献を調査し, 接触者への化学予防などを新たに加えた. 少菌型では世界保健機関 (WHO) 2018年の多剤併用療法 (MDT) 通りに6か月間のリファンピシン + ジアフェニルスルホン + クロファジミンの3剤併用 (WHO/MDT) を採用し, 多菌型 (MB) については, (A) MBで治療前に菌指数BI (3+) 以上の場合, 原則としてWHO/MDTを2年間継続する. 経過中の皮疹の...

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Published in日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 93; no. 2; pp. 57 - 95
Main Authors 後藤正道, 野上玲子, 岡野美子, 儀同政一, 四津里英, 北島信一, 山口さやか, 阿戸学, 宮本友司, 高橋健造, 圓純一郎, 日本ハンセン病学会治療指針ワーキンググループ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハンセン病学会 31.08.2024
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ISSN1342-3681

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Summary:日本ハンセン病学会・治療指針ワーキンググループ (指針WG) では, 学会としての標準的なハンセン病治療指針を2000年に作成し, 2006年と2013年に改訂を行った. 今回の改訂では, この間の関連文献を調査し, 接触者への化学予防などを新たに加えた. 少菌型では世界保健機関 (WHO) 2018年の多剤併用療法 (MDT) 通りに6か月間のリファンピシン + ジアフェニルスルホン + クロファジミンの3剤併用 (WHO/MDT) を採用し, 多菌型 (MB) については, (A) MBで治療前に菌指数BI (3+) 以上の場合, 原則としてWHO/MDTを2年間継続する. 経過中の皮疹の吸収が良好で2年間終了時点で菌陰性であれば, 維持療法なしで1年間の経過観察をする. 2年間終了時点で菌陽性ならば, あと1年間すなわち計3年間のWHO/MDTを行い, その後は菌陰性で活動性病変がなくなるまで, ジアフェニルスルホン + クロファジミンなどの2剤以上の組合せで維持療法を行う. 皮疹の吸収が遅ければ耐性菌の可能性を検討する. また, (B) MBで治療前にBI (3+) 未満あるいは発症後極めて早期 (6か月以内) でBI (3+) 以上の場合には, 原則としてWHO/MDTを1年間行う. 治療開始後1年以内に菌陰性化して活動的臨床所見がなければ, 維持療法なしで経過観察とする. 菌陽性あるいは活動性臨床所見があれば, WHO/MDTをあと1年間行うこととした.
ISSN:1342-3681