PETを契機に発見された結核性収縮性心膜炎

要旨 : 症例は72歳男性. 主訴は発熱, 呼吸困難, 体重減少. 胸水貯留の原因検索目的にて当院紹介受診. 胸部CTでは縦隔リンパ節腫大, 両側胸水と心嚢液貯留を認めたことから心不全の治療と悪性腫瘍の検索を並行して行った. 心嚢液貯留は改善したものの, 心膜全体の肥厚を認め, PET-CT検査にて同部位と気管分岐部リンパ節にFDGの集積を認めた. 精査にて悪性疾患の存在を示唆する所見を認めなかったことから結核性病変を疑い, 心臓超音波検査にて収縮性心膜炎と診断され, 心膜剥離術が施行された. 病理所見として乾酪壊死組織と肉芽腫性変化が認められ, 結核性収縮性心膜炎の診断となった. PET-C...

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Published in結核 Vol. 91; no. 2; pp. 65 - 68
Main Authors 高倉裕樹, 砂田幸一, 清水邦彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.02.2016
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ISSN0022-9776

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Summary:要旨 : 症例は72歳男性. 主訴は発熱, 呼吸困難, 体重減少. 胸水貯留の原因検索目的にて当院紹介受診. 胸部CTでは縦隔リンパ節腫大, 両側胸水と心嚢液貯留を認めたことから心不全の治療と悪性腫瘍の検索を並行して行った. 心嚢液貯留は改善したものの, 心膜全体の肥厚を認め, PET-CT検査にて同部位と気管分岐部リンパ節にFDGの集積を認めた. 精査にて悪性疾患の存在を示唆する所見を認めなかったことから結核性病変を疑い, 心臓超音波検査にて収縮性心膜炎と診断され, 心膜剥離術が施行された. 病理所見として乾酪壊死組織と肉芽腫性変化が認められ, 結核性収縮性心膜炎の診断となった. PET-CT検査が結核性心膜炎の診断の契機となった.
ISSN:0022-9776