金属テクスチャ選定に関する体系的指標の検討 鏡面加工およびショットブラスト加工を施した無彩色系金属を例に

本稿は,金属テクスチャの体系的な選定指標について,評価用語と物理特性値の階層構造化により検討したものである.検討方法は,まず,抽出した92 評価用語の因果関係を導き,DEMATEL 法による分析から人の知覚や認知傾向に応じた4つの階層に分類した.次に,金属テクスチャ評価結果をコレスポンデンス分析で分析し,金属テクスチャ試料片と評価用語の関係を構造化した.金属テクスチャ評価では,オノマトペおよび単感覚を表象する形容詞を用いることで,ユーザが直感的に評価しやすくなり,物理特性値との関係を高精度に導くことができた.物理特性値は,表面粗さ指標,光沢度,色度を用い,光の反射特性との関連性を考察した.以上...

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Published inデザイン学研究 Vol. 62; no. 4; pp. 4_85 - 4_92
Main Authors 滝沢, 正仁, 永見, 豊, 木嶋, 彰, 有村, 徹, 米原, 牧子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 30.11.2015
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Summary:本稿は,金属テクスチャの体系的な選定指標について,評価用語と物理特性値の階層構造化により検討したものである.検討方法は,まず,抽出した92 評価用語の因果関係を導き,DEMATEL 法による分析から人の知覚や認知傾向に応じた4つの階層に分類した.次に,金属テクスチャ評価結果をコレスポンデンス分析で分析し,金属テクスチャ試料片と評価用語の関係を構造化した.金属テクスチャ評価では,オノマトペおよび単感覚を表象する形容詞を用いることで,ユーザが直感的に評価しやすくなり,物理特性値との関係を高精度に導くことができた.物理特性値は,表面粗さ指標,光沢度,色度を用い,光の反射特性との関連性を考察した.以上の結果は,フロー式の選定指標としてまとめた.この指標は,パスと影響値を頼りに,デザインコンセプトに用いる用語から金属テクスチャを選択することができる.さらに,粗さや金属種などの物理特性から用語の関係性を探ることも可能であり,デザインの現場や加工業者との情報伝達において,有用な指標になり得ると考える.
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.62.4_85