足尾鉱毒問題における鉱毒原因の認識と土砂対策の変遷 古河により建造された土砂扞止施設と堆積場の遺構が有する歴史的意味について

本研究は,足尾銅山の鉱毒問題について,問題と原因の認識に関する変遷と,古河により建設された土砂扞止施設や堆積場に関する変遷を整理し,これら土砂扞止施設と堆積場の持つ歴史的意味合いを明らかにしようとするものである.鉱毒問題の変遷の整理においては,古河機械金属所による報告書,足尾の治水や砂防に関する報告書,鉱害問題の文献等を用いて行った.そして,鉱毒問題に対する原因の認識,被害地からの要求が変化していく様子を把握した.また,土砂扞止工事や堆積場建設の変遷については,これまで公開されていなかった古河所蔵の史料から情報を得て整理を行った.そして,土砂扞止工事内容の変化と堆積場が建設されていく様子を把握...

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Published in都市計画論文集 p. 85
Main Authors 青木, 達也, 永井, 護
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本都市計画学会 2010
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Summary:本研究は,足尾銅山の鉱毒問題について,問題と原因の認識に関する変遷と,古河により建設された土砂扞止施設や堆積場に関する変遷を整理し,これら土砂扞止施設と堆積場の持つ歴史的意味合いを明らかにしようとするものである.鉱毒問題の変遷の整理においては,古河機械金属所による報告書,足尾の治水や砂防に関する報告書,鉱害問題の文献等を用いて行った.そして,鉱毒問題に対する原因の認識,被害地からの要求が変化していく様子を把握した.また,土砂扞止工事や堆積場建設の変遷については,これまで公開されていなかった古河所蔵の史料から情報を得て整理を行った.そして,土砂扞止工事内容の変化と堆積場が建設されていく様子を把握した.これらの結果から,土砂扞止工事と堆積場が鉱毒問題の解決にとって,重要な意味を持っていることが確認できた.
Bibliography:85
ISSN:1348-284X
DOI:10.11361/cpij1.45.0.85.0