黄疸を初発症状としたdic (9;12) 急性リンパ性白血病の男児例

Dic (9;12) の染色体所見を示した急性リンパ性白血病 (ALL) の13歳男児例を報告した.患児は発熱, 黄疸を初発症状とし, 入院時, 肝脾腫を認めた.末梢血検査で白血球数1,600/μl (12%の白血病細胞), 血小板数6.9×104/μl, 生化学検査でAST (630U/l) , ALT (619U/l) およびD-Bil (3.2mg/dl) の異常を示した.白血病細胞の形態はFAB分類のL1で, 表面マーカーはCDlO, CDl9, CD20陽性, 染色体は45, XY, inv (1) (p22q44), der (12), dic (9;12) (pll;pl2) の...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 16; no. 5; pp. 308 - 311
Main Authors 杉田, 憲一, 熊崎, 寿美, 佐藤, 雄也, 坪井, 龍生, 黒澤, 秀光, 嶋岡, 鋼, 江口, 光興
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.10.2002
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.16.308

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Summary:Dic (9;12) の染色体所見を示した急性リンパ性白血病 (ALL) の13歳男児例を報告した.患児は発熱, 黄疸を初発症状とし, 入院時, 肝脾腫を認めた.末梢血検査で白血球数1,600/μl (12%の白血病細胞), 血小板数6.9×104/μl, 生化学検査でAST (630U/l) , ALT (619U/l) およびD-Bil (3.2mg/dl) の異常を示した.白血病細胞の形態はFAB分類のL1で, 表面マーカーはCDlO, CDl9, CD20陽性, 染色体は45, XY, inv (1) (p22q44), der (12), dic (9;12) (pll;pl2) の所見を示した.Dic (9;12) 白血病は小児, 若年成人に多く, 予後良好との報告が多く, 本例も化学療法に良好な反応を示した.また, 初発時に肝機能障害を認めた例, わが国でのdic (9;12) 白血病の報告例は見出すことはできなかった.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.16.308