検診で発見された真性肋間動脈瘤の1治験例

肋間動脈瘤は比較的希な疾患で, その成因は先天性, 外傷性, 真菌性などが報告されている. これまでは破裂して初めて診断される症例が多かったが, 近年では健康診断や, CT, MRIにより診断されることも少なくない. 位置的に後縦隔腫瘍との鑑別が必要となり, 縦隔腫瘍と診断され手術施行にいたる症例もある. 症例は68歳男性で, 胸部X線写真で異常陰影を指摘された. CT, MRI, 大動脈造影の精査により, 動脈瘤の可能性が示唆された. 手術所見より下行大動脈に隣接する肋間動脈瘤が最も考えられたため, 部分体外循環下に手術を施行した. 解剖学的位置関係および病理学的所見より, 血栓閉塞した粥状...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 30; no. 2; pp. 71 - 73
Main Authors 長, 泰則, 中尾, 佳永, 川田, 志明, 上田, 敏彦, 尾本, 正, 井上, 仁人, 茂呂, 勝美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.03.2001
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.30.71

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Summary:肋間動脈瘤は比較的希な疾患で, その成因は先天性, 外傷性, 真菌性などが報告されている. これまでは破裂して初めて診断される症例が多かったが, 近年では健康診断や, CT, MRIにより診断されることも少なくない. 位置的に後縦隔腫瘍との鑑別が必要となり, 縦隔腫瘍と診断され手術施行にいたる症例もある. 症例は68歳男性で, 胸部X線写真で異常陰影を指摘された. CT, MRI, 大動脈造影の精査により, 動脈瘤の可能性が示唆された. 手術所見より下行大動脈に隣接する肋間動脈瘤が最も考えられたため, 部分体外循環下に手術を施行した. 解剖学的位置関係および病理学的所見より, 血栓閉塞した粥状硬化性の真性肋間動脈瘤と診断された.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.30.71