東京都多摩地域の結核指定医療機関における地域DOTSの実施状況に関する研究
「要旨」: 〔目的・方法〕東京都多摩地域の結核指定医療機関に対して結核治療および地域DOTSに関する調査を行うことで, 地域DOTSの現状と課題を明らかにし, 今後の保健所と医療機関との連携に資することを目的とし, 保健所圏域ごとの層化無作為抽出により抽出した500医療機関の医師を対象として, 郵送法による自記式質問紙調査を実施した. 〔結果〕287医療機関が回答し, 過去2年間での結核患者診療歴がない医療機関は58.9%, DOTSを「よく知っていた」「知っていた」のは合わせて48.8%であった. DOTSを「すでに行っている」は2.8%, 「今後行いたいと考えている」は18.7%であるのに...
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Published in | 結核 Vol. 86; no. 10; pp. 821 - 827 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核病学会
15.10.2011
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0022-9776 |
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Summary: | 「要旨」: 〔目的・方法〕東京都多摩地域の結核指定医療機関に対して結核治療および地域DOTSに関する調査を行うことで, 地域DOTSの現状と課題を明らかにし, 今後の保健所と医療機関との連携に資することを目的とし, 保健所圏域ごとの層化無作為抽出により抽出した500医療機関の医師を対象として, 郵送法による自記式質問紙調査を実施した. 〔結果〕287医療機関が回答し, 過去2年間での結核患者診療歴がない医療機関は58.9%, DOTSを「よく知っていた」「知っていた」のは合わせて48.8%であった. DOTSを「すでに行っている」は2.8%, 「今後行いたいと考えている」は18.7%であるのに対し, 「現在行っていないが, 今後行うには解決すべき課題がある」は51.2%, 「行う予定はない」は27.2%であった. 今後, 外来DOTSを行うことが可能か, および服薬ノートを活用できるかは, DOTSの知識の有無と関連があった. また, 病院よりも診療所のほうが, 講習会への参加率が低い傾向が見られた. 〔考察〕今後, 地域DOTSを広く普及させていくためには, 結核患者診療や結核に関する新たな知識を医師が自分の空いている時間に学習できるようにしていく必要があると考えられる. |
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ISSN: | 0022-9776 |