輸血部から細胞治療・組織移植部へ

1. 輸血部の現状 従来輸血部の業務は大きく2つに大別される. その一つは直接的な血液製剤に関する一般輸血検査, 管理, 放射線照射等で, 中でも検査はその中心的な役割である. 現在の多くの医療機関ではこれらの業務は一元化されてきており, 適正な輸血医療に貢献している. 一方, 輸血部は病院内にて唯一細胞そのものを扱う部門であり, 治療の高度先進化に伴い細胞の採取, 骨髄及び末梢血由来幹細胞処理, 純化, T細胞除去, 及び凍結や, 細胞アッセイなど細胞療法の基礎的な支援を行ってきている. しかしながら, わが国に於いては輸血部そのものが設置されている医療機関はごく少数であること, さらに設置...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 4; pp. 726 - 729
Main Author 高松純樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.10.2001
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ISSN0546-1448

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Summary:1. 輸血部の現状 従来輸血部の業務は大きく2つに大別される. その一つは直接的な血液製剤に関する一般輸血検査, 管理, 放射線照射等で, 中でも検査はその中心的な役割である. 現在の多くの医療機関ではこれらの業務は一元化されてきており, 適正な輸血医療に貢献している. 一方, 輸血部は病院内にて唯一細胞そのものを扱う部門であり, 治療の高度先進化に伴い細胞の採取, 骨髄及び末梢血由来幹細胞処理, 純化, T細胞除去, 及び凍結や, 細胞アッセイなど細胞療法の基礎的な支援を行ってきている. しかしながら, わが国に於いては輸血部そのものが設置されている医療機関はごく少数であること, さらに設置されていたとしても, 他の中央施設である検査部門と異なり, 人的な不足は否めない. さらに多くの国立大学病院に於いては, 検査部と輸血部あるいは他の中央施設との壁のために, 人的な交流はなくその端的な象徴が国立大学病院に於いても約3分の2の施設では24時間体制が採られていない.
ISSN:0546-1448