術後生存率, QOLよりみた胃癌拡大郭清の効果

胃癌におけるリンパ節拡大郭清の効果について, 過去10年間の2,592例を検討した. 検討は, 4群郭清 (D4) と2群郭清 (D2) の2群間で, 胃癌取扱い規約12版の進行程度に沿って層別化し, 生存率を対比した. また3年間経過を追えた再発のない胃全摘膵脾合切例で, 全身状態, quality of life (QOL) などについて対比した.(結果) D4郭清がD2郭清より, 各進行程度で良好であり, sen0, m, sm, n2 (+), mp, ss, n2 (+), se, n2 (+) の各群で, 有意の差を認めた. また, D4, D2の2群間で直死率, 術後縫合不全,...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 4; pp. 927 - 931
Main Authors 喜多村, 陽一, 鈴木, 博孝, 笹川, 剛, 小熊, 英俊, 遠藤, 昭彦, 石塚, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.04.1995
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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Summary:胃癌におけるリンパ節拡大郭清の効果について, 過去10年間の2,592例を検討した. 検討は, 4群郭清 (D4) と2群郭清 (D2) の2群間で, 胃癌取扱い規約12版の進行程度に沿って層別化し, 生存率を対比した. また3年間経過を追えた再発のない胃全摘膵脾合切例で, 全身状態, quality of life (QOL) などについて対比した.(結果) D4郭清がD2郭清より, 各進行程度で良好であり, sen0, m, sm, n2 (+), mp, ss, n2 (+), se, n2 (+) の各群で, 有意の差を認めた. また, D4, D2の2群間で直死率, 術後縫合不全, 入院日数などに差を認めなかった. また各種QOLに関するアンケート調査の結果差を認めなかった. (まとめ) D4郭清はD2郭清と対比して, 安全で, QOLを損なうことがなく, また, stage II, IIIで良好な成績を示すことから, 積極的に選択すべき術式と考えた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.28.927