がん化学療法における患者支援ツールの開発-経口抗がん剤の円滑な薬薬連携を目指して

今日のがん化学療法は入院治療から外来治療へ移行している. 四国がんセンターでは, 経口抗がん剤の院外処方について副作用のモニタリング機能を付加して, 患者のセルフメディケーション及び生活の質(Quality of Life:QOL)の維持・向上を目的に患者日誌を試用した. また, 本日誌は患者が保険調剤薬局へ持参することで当院との円滑な治療に関する情報共有を図ることも目的としているので, いわゆる院内外における治療の情報伝達を図るクリニカルパスであると言える. 今回, 日誌の作成に至るまでの経緯, 問題点, 試用した上での実践報告を行う. 1. がん化学療法の外来移行 今日のがん化学療法は,...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 11; no. 2; pp. 127 - 135
Main Authors 松久哲章, 小暮友毅, 野本香, 田頭尚士, 江口久恵, 舩田千秋, 菊内由貴, 谷水正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本クリニカルパス学会 2009
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ISSN2187-6592

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Summary:今日のがん化学療法は入院治療から外来治療へ移行している. 四国がんセンターでは, 経口抗がん剤の院外処方について副作用のモニタリング機能を付加して, 患者のセルフメディケーション及び生活の質(Quality of Life:QOL)の維持・向上を目的に患者日誌を試用した. また, 本日誌は患者が保険調剤薬局へ持参することで当院との円滑な治療に関する情報共有を図ることも目的としているので, いわゆる院内外における治療の情報伝達を図るクリニカルパスであると言える. 今回, 日誌の作成に至るまでの経緯, 問題点, 試用した上での実践報告を行う. 1. がん化学療法の外来移行 今日のがん化学療法は, 有効性の高い新薬や支持療法の開発, 治療の標準化, がん化学療法委員会によるレジメン審査や管理と共に患者の生活の質(Quality of Life:QOL)の維持・向上を目的1)に, また診療報酬等の改定やがん対策基本法に位置付けられるがん治療の均てん化も手伝って入院治療から外来治療へ移行している.
ISSN:2187-6592