胆嚢癌手術例の遠隔成績-特に長期生存例の検討

1965年以降20年間の胆嚢癌手術症例49例の遠隔成績を検討した.後半の10年では前半の10年に比べ, 治療成績の向上が認められた.主な要因は早期症例の増加にあるが, 術式の拡大にともない進行例の治療成績も改善しつつある.特に治癒切除例の予後は比較的良好であり, stage III, IVでも8年以上の長期生存例を得ている.しかし姑息切除では予後の改善は得られなかった.また3年以上生存例10例を検討すると長期に生存したのは早期例かHinfを主体とする進行癌であった.したがって早期症例の発見に努めるとともに局所進展主体の進行癌に対しては積極的に拡大根治手術を行うことが治療成績の向上につながると考...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 19; no. 5; pp. 933 - 937
Main Authors 高木, 正和, 出月, 康夫, 別府, 倫兄, 柴山, 和夫, 高見, 実, 小菅, 智男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.05.1986
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.19.933

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Summary:1965年以降20年間の胆嚢癌手術症例49例の遠隔成績を検討した.後半の10年では前半の10年に比べ, 治療成績の向上が認められた.主な要因は早期症例の増加にあるが, 術式の拡大にともない進行例の治療成績も改善しつつある.特に治癒切除例の予後は比較的良好であり, stage III, IVでも8年以上の長期生存例を得ている.しかし姑息切除では予後の改善は得られなかった.また3年以上生存例10例を検討すると長期に生存したのは早期例かHinfを主体とする進行癌であった.したがって早期症例の発見に努めるとともに局所進展主体の進行癌に対しては積極的に拡大根治手術を行うことが治療成績の向上につながると考えられる.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.19.933