結核標準治療が行えない症例におけるlevofloxacinの使用状況と治療成績の検討
「要旨」:〔目的〕当院の結核治療で, レボフロキサシン (LVFX) を抗結核薬として使用した状況, 理由, 治療成績を検討する. 〔対象と方法〕2005年に当院結核病棟へ入院し結核治療を開始した331例を対象とし, LVFXを使用した48例 (14.5%) の使用理由, 使用状況, 治療成績を検討する. さらに, 初回標準治療開始後の処方変更でLVFXを使用した群とLVFXを使用せず減感作療法や他の抗結核薬を使用した群での菌陰性化率を比較する. 〔結果〕初回治療302例中41例 (13.6%), 再治療29例中7例 (24.1%) でLVFXは使用されていた. LVFXによる副作用で中止にな...
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Published in | 結核 Vol. 86; no. 9; pp. 773 - 779 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核病学会
15.09.2011
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Summary: | 「要旨」:〔目的〕当院の結核治療で, レボフロキサシン (LVFX) を抗結核薬として使用した状況, 理由, 治療成績を検討する. 〔対象と方法〕2005年に当院結核病棟へ入院し結核治療を開始した331例を対象とし, LVFXを使用した48例 (14.5%) の使用理由, 使用状況, 治療成績を検討する. さらに, 初回標準治療開始後の処方変更でLVFXを使用した群とLVFXを使用せず減感作療法や他の抗結核薬を使用した群での菌陰性化率を比較する. 〔結果〕初回治療302例中41例 (13.6%), 再治療29例中7例 (24.1%) でLVFXは使用されていた. LVFXによる副作用で中止になった症例はなかった. 初回標準治療で開始した269例中26例が処方変更でLVFXを使用し, その理由は抗結核薬の副作用が23例 (88.5%), 薬剤耐性が3例 (11.5%) であった. 標準治療で開始し5カ月間菌検査の経過を追えた初回治療例228例のうち, 処方変更後にLVFXを使用した22例の菌陰性化率は3カ月目68.2%, 4カ月目95.5%, 5カ月目100%であった. これは処方変更でLVFXを使用しなかった群と比較し菌陰性化率に差を認めなかった. 〔結論〕初回標準治療が継続できない症例においてLVFXの使用は, LVFXによる顕著な副作用はなく菌陰性化においても有用であった. 現在LVFXは抗結核薬として保険適応承認されていないが, 結核治療で使用可能な薬剤が制限される際には必須薬剤となる. 今後抗結核薬としてLVFXが適切に使用できることが望まれる. |
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ISSN: | 0022-9776 |