人工膝関節周辺骨折の検討 - 骨粗鬆症を中心に
「はじめに」人工膝関節置換術(以下TKA)の術後合併症として, ルースニング, 感染と共に, 頻度は高くないがコンポーネント周囲の骨折がある. 特にリウマチ膠原病疾患においては疾患本来, あるいはステロイドの長期内服, 活動性の低下などから骨粗鬆症を合併する頻度は高く, 骨折の危険性が内在する. また, その治療においても難渋することが多い. 今回これらの症例につき骨粗鬆症の観点から検討を行ったので報告する. 「対象および方法」1990年から2006年までに当院にて行われたTKA700例(変形性膝関節症98例, リウマチ膠原病疾患602例)中9例, 1.3%に人工関節周辺骨折の発生があった....
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Published in | 日本関節病学会誌 Vol. 28; no. 4; pp. 553 - 558 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本関節病学会
2009
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ISSN | 1883-2873 |
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Summary: | 「はじめに」人工膝関節置換術(以下TKA)の術後合併症として, ルースニング, 感染と共に, 頻度は高くないがコンポーネント周囲の骨折がある. 特にリウマチ膠原病疾患においては疾患本来, あるいはステロイドの長期内服, 活動性の低下などから骨粗鬆症を合併する頻度は高く, 骨折の危険性が内在する. また, その治療においても難渋することが多い. 今回これらの症例につき骨粗鬆症の観点から検討を行ったので報告する. 「対象および方法」1990年から2006年までに当院にて行われたTKA700例(変形性膝関節症98例, リウマチ膠原病疾患602例)中9例, 1.3%に人工関節周辺骨折の発生があった. これらの症例に, 他施設においてTKAを施行され, 当院にて骨折の加療を行った4例を加えた13例を今回の対象とした. 症例は全例女性であった. 基礎疾患は結節性動脈周囲炎(PN)1例, 関節リウマチ(以下RA)12例であった. TKA施行時の罹病期間は6年から40年, 平均21年であった. TKA施行時年齢は43歳から75歳, 平均57歳であり, 骨折受傷時年齢は53歳から77歳で, 平均63歳であった. |
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ISSN: | 1883-2873 |