閉塞性黄疸で再燃した急性リンパ性白血病の1例

症例は38歳の女性で, 黄疸を主訴に当院内科で急性リンパ性白血病の治療を受け外来観察中であった. 超音波検査で膵頭部の腫瘤を指摘され精査加療目的で入院となった. CTで膵頭部および肝十二指腸間膜に認められた不整低吸収域が閉塞性黄疸の原因であると考えられた. 臨床経過より白血病の腹腔内再燃も考えられたが確定診断に至らず急性胆嚢炎を併発したため開腹手術を施行した. 胆嚢体部および底部は壊死を起こしており胆嚢摘出術を施行した. さらに, リンパ節の術中迅速組織診でリンパ由来の悪性細胞と診断された. その後, 白血病に対し化学療法を施行したが皮膚転移, 髄膜播種へと進行し術後約1年で死亡した....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 516 - 520
Main Authors 有我, 隆光, 木下, 弘寿, 尾崎, 正彦, 吉村, 清司, 大島, 郁也, 篠藤, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.05.2005
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.38.516

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Summary:症例は38歳の女性で, 黄疸を主訴に当院内科で急性リンパ性白血病の治療を受け外来観察中であった. 超音波検査で膵頭部の腫瘤を指摘され精査加療目的で入院となった. CTで膵頭部および肝十二指腸間膜に認められた不整低吸収域が閉塞性黄疸の原因であると考えられた. 臨床経過より白血病の腹腔内再燃も考えられたが確定診断に至らず急性胆嚢炎を併発したため開腹手術を施行した. 胆嚢体部および底部は壊死を起こしており胆嚢摘出術を施行した. さらに, リンパ節の術中迅速組織診でリンパ由来の悪性細胞と診断された. その後, 白血病に対し化学療法を施行したが皮膚転移, 髄膜播種へと進行し術後約1年で死亡した.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.38.516