寛解導入療法中に合併した肺膿瘍に肺葉切除術を施行した急性リンパ性白血病の1女児例

寛解導入療法中に, 肺膿瘍を発症した急性リンパ性白血病の2歳女児例を報告した.白血病細胞はFAB分類でL1, 表面マーカーはCD10とCD19陽性, 染色体47, XX, +X, t (2;11) (q11;q23) であり, A, MLL-LAF4融合遺伝子を認めた.TCCSG L99-15 standard riskプロトコールにて寛解導入療法を開始したところ, 治療中に, 発熱, CRPの上昇と胸部X線像で右中葉に浸潤影を認めた.細菌学的検査では起因菌は証明されなかった.抗生剤, 抗真菌剤で治療を行ったが, 浸潤影は改善されず, 肺膿瘍の診断後4カ月時に, 右中葉切除術を施行した.その後...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 18; no. 3; pp. 151 - 154
Main Authors 奥谷, 真由子, 杉田, 憲一, 萩澤, 進, 松永, 貴之, 黒澤, 秀光, 坪井, 弥生, 江口, 光興
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 30.06.2004
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.18.151

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Summary:寛解導入療法中に, 肺膿瘍を発症した急性リンパ性白血病の2歳女児例を報告した.白血病細胞はFAB分類でL1, 表面マーカーはCD10とCD19陽性, 染色体47, XX, +X, t (2;11) (q11;q23) であり, A, MLL-LAF4融合遺伝子を認めた.TCCSG L99-15 standard riskプロトコールにて寛解導入療法を開始したところ, 治療中に, 発熱, CRPの上昇と胸部X線像で右中葉に浸潤影を認めた.細菌学的検査では起因菌は証明されなかった.抗生剤, 抗真菌剤で治療を行ったが, 浸潤影は改善されず, 肺膿瘍の診断後4カ月時に, 右中葉切除術を施行した.その後, 非血縁者間骨髄移植を施行した.現在, 肺合併症なく, 寛解を維持している.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.18.151