自家骨髄移植後再発し同胞間HLA3抗原不一致臍帯血移植を施行した乳児白血病症例

自家骨髄移植後再発した乳児白血病患児に対して同種移植を計画したがHLA適合ドナーが得られず, 同胞からの3抗原不一致臍帯血移植を施行した.移植前処置は脳脊髄照射6Gy+全身照射12Gy+thioTEPA 600mg/m2+Endoxan 120mg/kgで行った.移植単核球数は2.5×107/kgで, GVHD予防はcyclosporineA単独で行った.生着は速やかであったが, 重症度III度の急性GVHDを発症した.ステロイドパルス療法とtacrolimusで加療し, 慢性GVHDもコントロールできた.移植後152日にはサイトメガロウイルス (CMV) 腸炎を発症したが, ganciclo...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 12; no. 6; pp. 448 - 451
Main Authors 安井, 昌博, 井上, 雅美, 河, 敬世, 岡村, 隆行, 八木, 啓子, 朴, 永東
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.12.1998
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.12.448

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Summary:自家骨髄移植後再発した乳児白血病患児に対して同種移植を計画したがHLA適合ドナーが得られず, 同胞からの3抗原不一致臍帯血移植を施行した.移植前処置は脳脊髄照射6Gy+全身照射12Gy+thioTEPA 600mg/m2+Endoxan 120mg/kgで行った.移植単核球数は2.5×107/kgで, GVHD予防はcyclosporineA単独で行った.生着は速やかであったが, 重症度III度の急性GVHDを発症した.ステロイドパルス療法とtacrolimusで加療し, 慢性GVHDもコントロールできた.移植後152日にはサイトメガロウイルス (CMV) 腸炎を発症したが, ganciclovirが奏効した.現在移植後2年が経過したが, 元気に外来通院中である.適切なGVHD予防を行えば同胞間HLA3抗原不一致臍帯血移植は試みる価値のある治療法と考えられた.また, 臍帯血移植においてもCMVにたいする監視・対策は重要であると思われた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.12.448