幼児は身近な友達をどうとらえるか よく遊ぶ友達とあまり遊ばない友達についての縦断的インタビューから

本研究では,よく遊ぶか否かという関係性が年齢差と共に,幼児期後期の友達理解に与える影響を検討した。34人の幼児に対して,4歳クラスと5歳クラスの時点で,友人がどんな人か,好ましいと思うか否かについて縦断的に個別インタビューが実施された。その結果,5歳児クラスの時に友達の傾性,中でも特性に言及するという年齢差に加えて,4歳児クラスの時には特性に言及する子どもがよく遊ぶ友達で多いという関係差も得られた。関係差は,よく遊ぶ友達に関して肯定的側面からだけでなく,否定的側面からもとらえる子どもが年齢を問わず多いという点でも見られた。従って,幼児の友達理解の発達における親密な関係性の重要性が示された。...

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Bibliographic Details
Published in保育学研究 Vol. 61; no. 2; pp. 91 - 101
Main Author 野田, 淳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本保育学会 31.12.2023
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ISSN1340-9808
2424-1679
DOI10.20617/reccej.61.2_91

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Summary:本研究では,よく遊ぶか否かという関係性が年齢差と共に,幼児期後期の友達理解に与える影響を検討した。34人の幼児に対して,4歳クラスと5歳クラスの時点で,友人がどんな人か,好ましいと思うか否かについて縦断的に個別インタビューが実施された。その結果,5歳児クラスの時に友達の傾性,中でも特性に言及するという年齢差に加えて,4歳児クラスの時には特性に言及する子どもがよく遊ぶ友達で多いという関係差も得られた。関係差は,よく遊ぶ友達に関して肯定的側面からだけでなく,否定的側面からもとらえる子どもが年齢を問わず多いという点でも見られた。従って,幼児の友達理解の発達における親密な関係性の重要性が示された。
ISSN:1340-9808
2424-1679
DOI:10.20617/reccej.61.2_91