子ども研究の臨床性 和田修二「子どもの人間学」における「おとな」の意味

「臨床的な」子ども研究に固有の視点とは何だろうか。本稿ではその手がかりを、「おとな」を問う視点に探る。取り上げるのは、「おとな」の思想を核とした、和田修二の「子どもの人間学」である。「子ども」という存在の根本的な理解を目指す「子どもの人間学」において、なぜ、どのような意味で「おとな」が問題となるのだろうか。こうした観点から明らかになったのは、子どもとの関係において、子どもにもまして「よるべない」存在としてのおとなの姿である。このおとなのよるべなさへの視点が、子どもの存在への理解を深め、その生活を助ける臨床的研究の核となる意味をもつ。...

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Published in児童学研究 Vol. 46; pp. 21 - 30
Main Author 森, 七恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家政学会児童学部会 15.03.2022
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ISSN2434-4508
2436-567X
DOI10.50990/jchild.46.0_21

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Summary:「臨床的な」子ども研究に固有の視点とは何だろうか。本稿ではその手がかりを、「おとな」を問う視点に探る。取り上げるのは、「おとな」の思想を核とした、和田修二の「子どもの人間学」である。「子ども」という存在の根本的な理解を目指す「子どもの人間学」において、なぜ、どのような意味で「おとな」が問題となるのだろうか。こうした観点から明らかになったのは、子どもとの関係において、子どもにもまして「よるべない」存在としてのおとなの姿である。このおとなのよるべなさへの視点が、子どもの存在への理解を深め、その生活を助ける臨床的研究の核となる意味をもつ。
ISSN:2434-4508
2436-567X
DOI:10.50990/jchild.46.0_21