地域子育て支援拠点における多職種チームの包括的支援 多職種の語りによる10年間の協働学習の分析から
本研究の目的は,地域子育て支援拠点における10年間の包括的支援を実践した「多職種チーム」の協働学習から,その存在意義を明らかにする。拠点職員5名を対象に半構造化インタビューを行い,多職種の語りを分析した。結果の考察は,Yrjö Engeström(2008)の「ノットワーキング(knotworking)」理論を用いた。多職種存在の安心感は利用者の居心地に波紋し,①相談の場の雰囲気づくりと受容,②気づきの感度と連携判断,③イニシアティブの分担化,④長期的に形成された新しい職能集団による予防的支援,⑤地域の実情に応じた多職種チーム点在の必要性が示された。包括的支援の強化という新たな潮流のなかで,こ...
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Published in | 保育学研究 Vol. 62; no. 3; pp. 69 - 80 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本保育学会
2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-9808 2424-1679 |
DOI | 10.20617/reccej.62.3_69 |
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Summary: | 本研究の目的は,地域子育て支援拠点における10年間の包括的支援を実践した「多職種チーム」の協働学習から,その存在意義を明らかにする。拠点職員5名を対象に半構造化インタビューを行い,多職種の語りを分析した。結果の考察は,Yrjö Engeström(2008)の「ノットワーキング(knotworking)」理論を用いた。多職種存在の安心感は利用者の居心地に波紋し,①相談の場の雰囲気づくりと受容,②気づきの感度と連携判断,③イニシアティブの分担化,④長期的に形成された新しい職能集団による予防的支援,⑤地域の実情に応じた多職種チーム点在の必要性が示された。包括的支援の強化という新たな潮流のなかで,これまでに存在しなかった多職種チームの存在意義が示された。 |
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ISSN: | 1340-9808 2424-1679 |
DOI: | 10.20617/reccej.62.3_69 |