大学病院における休職者の実態と再休職要因の探索 産業医面談記録を用いた後ろ向き観察研究

大学病院職員の就労支援充実のため,休職者の実態調査と再休職要因の探索を目的とした.2019年7月~2022年6月に,大学病院で産業医面談を受けた職員を研究対象とし,記述統計を用いた休職者の実態調査,ロジスティック回帰分析による再休職の要因探索を実施した.産業医面談を受けた者は227名,そのうち休職者は154名(就労継続者73名,再休職者42名,退職者39名),再休職割合(再休職者/休職者)は27.3%であった.再休職の要因探索では,再休職と「発症・受傷の経緯による分類:身体的負荷」との間に有意な負の関連(オッズ比0.33,95%信頼区間0.11–0.90),「90日を超える休職期間」との間に正...

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Published in産業精神保健 Vol. 33; no. 2; pp. 130 - 139
Main Authors 塚野 和代, 川上 慎太郎, 笠井 清登, 齋藤 朗, 松川 美穂, 大石 志穂, 里村 嘉弘, 阿部 麻里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本産業精神保健学会 20.06.2025
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ISSN1340-2862
2758-1101
DOI10.57339/jjomh.33.2_130

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Summary:大学病院職員の就労支援充実のため,休職者の実態調査と再休職要因の探索を目的とした.2019年7月~2022年6月に,大学病院で産業医面談を受けた職員を研究対象とし,記述統計を用いた休職者の実態調査,ロジスティック回帰分析による再休職の要因探索を実施した.産業医面談を受けた者は227名,そのうち休職者は154名(就労継続者73名,再休職者42名,退職者39名),再休職割合(再休職者/休職者)は27.3%であった.再休職の要因探索では,再休職と「発症・受傷の経緯による分類:身体的負荷」との間に有意な負の関連(オッズ比0.33,95%信頼区間0.11–0.90),「90日を超える休職期間」との間に正の関連(オッズ比5.36,95%信頼区間2.16–14.14)があった.休職期間が90日を超えると再休職のリスクが高く,身体の問題を理由とした休職では再休職のリスクが低いことが示された.
ISSN:1340-2862
2758-1101
DOI:10.57339/jjomh.33.2_130