ガイドシースを使用したクライオ生検により診断できた肺MALTリンパ腫の1例

背景.肺MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は胸部画像所見上多彩な陰影を示し,過去の報告では気管支鏡や経皮的生検での診断は困難とされているため,一般的には手術による診断が推奨されている.症例.83歳,女性.持続する血痰のため前医を受診し,胸部異常陰影を指摘されたため紹介となった.左肺上葉の浸潤影に対し経気管支肺生検を行ったが確定診断に至らなかった.ガイドシースを用いた経気管支クライオ生検を行い,肺MALTリンパ腫と診断した.結論.今回我々は気管支鏡ガイドシースを使用したクライオ生検で挫滅の少ない良質な検体を採取することができ,より低侵襲にMAL...

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Published in気管支学 Vol. 47; no. 4; pp. 374 - 379
Main Authors 三澤 英介, 横山 寿行, 五十嵐 朗, 細川 由佳, 根本 貴子, 渡辺 昌文, 井上 純人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2025
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.47.4_374

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Summary:背景.肺MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は胸部画像所見上多彩な陰影を示し,過去の報告では気管支鏡や経皮的生検での診断は困難とされているため,一般的には手術による診断が推奨されている.症例.83歳,女性.持続する血痰のため前医を受診し,胸部異常陰影を指摘されたため紹介となった.左肺上葉の浸潤影に対し経気管支肺生検を行ったが確定診断に至らなかった.ガイドシースを用いた経気管支クライオ生検を行い,肺MALTリンパ腫と診断した.結論.今回我々は気管支鏡ガイドシースを使用したクライオ生検で挫滅の少ない良質な検体を採取することができ,より低侵襲にMALTリンパ腫を確定診断することができた.今後肺野病変におけるMALTリンパ腫の診断において,ガイドシースを用いたクライオ生検が有力な検査方法と考えられる.気管支鏡による診断技術を向上させることができる1例を経験したので報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.47.4_374