福島原発事故後中長期における家族介護者の生活状況と精神的健康―1年後の追跡調査から

福島原発事故による避難生活で,在宅介護する家族介護者の生活状況と精神的健康について,初回調査から1年後の変化を検討した.対象者は,初回調査の対象者79人のうち,初回調査及び追跡調査のいずれも回答の得られた31人とした.対象者の1年後の生活は,移転と住宅形態を除いて変化はなかった.IES-Rは,初回調査18.2 ± 19.4点から追跡調査12.9 ± 16.5点へと改善していた(p=0.003)が,カットオフ値を25点とした場合のPTSD疑いがある者は,減少したものの有意差はなかった.GHQ12,介護負担感においても変化はなく,避難生活を送る家族介護者の1年後の精神的健康は良好でないことが示され...

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Published in日本在宅医療連合学会誌 Vol. 6; no. 3; pp. 1 - 9
Main Authors 古戸 順子, 鈴木 良香, 結城 美智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本在宅医療連合学会 2025
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ISSN2435-4007
DOI10.34458/jahcm.6.3_1

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Summary:福島原発事故による避難生活で,在宅介護する家族介護者の生活状況と精神的健康について,初回調査から1年後の変化を検討した.対象者は,初回調査の対象者79人のうち,初回調査及び追跡調査のいずれも回答の得られた31人とした.対象者の1年後の生活は,移転と住宅形態を除いて変化はなかった.IES-Rは,初回調査18.2 ± 19.4点から追跡調査12.9 ± 16.5点へと改善していた(p=0.003)が,カットオフ値を25点とした場合のPTSD疑いがある者は,減少したものの有意差はなかった.GHQ12,介護負担感においても変化はなく,避難生活を送る家族介護者の1年後の精神的健康は良好でないことが示された.
ISSN:2435-4007
DOI:10.34458/jahcm.6.3_1