心筋梗塞患者に対するリハビリテーションアプローチ

心筋梗塞におけるリハビリテーションの意義 わが国では, これまで心疾患に対するリハビリテーションに関心が高いとは言えず, 特に心筋梗塞では, 合併症がなくとも長期入院となるのが現状であった. 長期臥床の不利益として心肺機能の低下, 骨格筋の機能低下などの身体的調節失調(deconditioning)1)が挙げられ, またこれに精神的, 社会的deconditioningも伴うと考えられる. 心筋梗塞におけるリハビリテーションの目的は狭義には残存心機能を積極的に改善することにあるが, 広義には呼吸機能, 末梢骨格筋組織の機能を高め, deconditioningに陥った身体的, 精神的, 社会的...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 4; pp. 257 - 259
Main Authors 田辺一彦, 横山泰廣, 山本明子, 村山正博, 山田純生, 山崎裕司, 黒沢保壽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.04.1997
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ISSN0034-351X

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Summary:心筋梗塞におけるリハビリテーションの意義 わが国では, これまで心疾患に対するリハビリテーションに関心が高いとは言えず, 特に心筋梗塞では, 合併症がなくとも長期入院となるのが現状であった. 長期臥床の不利益として心肺機能の低下, 骨格筋の機能低下などの身体的調節失調(deconditioning)1)が挙げられ, またこれに精神的, 社会的deconditioningも伴うと考えられる. 心筋梗塞におけるリハビリテーションの目的は狭義には残存心機能を積極的に改善することにあるが, 広義には呼吸機能, 末梢骨格筋組織の機能を高め, deconditioningに陥った身体的, 精神的, 社会的状態を再調節し, 患者を社会復帰に導き, quality of lifeを高めることにある.
ISSN:0034-351X