前下膵十二指腸動脈瘤破裂のIVRによる1救命例

前下膵十二指腸動脈瘤破裂に対し, プラチナマイクロコイルによる塞栓にて止血し, 救命し得た1例を経験した。症例は70歳・男性。主訴は意識消失および腹痛。2003年11月14日午後1時頃, 意識消失にて当院に救急搬送された。頭部CT検査を施行するも異常を認めず, 一旦帰宅した。同日午後5時頃, 腹痛が出現したため, 当院救急外来を再診し, 緊急入院となった。入院時, 腹部全体に圧痛および筋性防御を認めた。同日午後9時頃腹痛が増強したため, 造影CT検査を施行し, 膵頭部に造影剤の血管外漏出像を伴う径15×12×5cm大のSOLを認めた。造影CTを施行中に腹痛が増強し, ショック状態となった。循環...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 83 - 86
Main Authors 下村, 克己, 曽我, 耕次, 斉坂, 雄一, 齊藤, 卓也, 竹中, 温, 北村, 誠, 大垣, 雅晴, 松田, 秀岳, 安, 柄九, 柿原, 直樹, 飯塚, 亮二, 藤田, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2005
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.25.83

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Summary:前下膵十二指腸動脈瘤破裂に対し, プラチナマイクロコイルによる塞栓にて止血し, 救命し得た1例を経験した。症例は70歳・男性。主訴は意識消失および腹痛。2003年11月14日午後1時頃, 意識消失にて当院に救急搬送された。頭部CT検査を施行するも異常を認めず, 一旦帰宅した。同日午後5時頃, 腹痛が出現したため, 当院救急外来を再診し, 緊急入院となった。入院時, 腹部全体に圧痛および筋性防御を認めた。同日午後9時頃腹痛が増強したため, 造影CT検査を施行し, 膵頭部に造影剤の血管外漏出像を伴う径15×12×5cm大のSOLを認めた。造影CTを施行中に腹痛が増強し, ショック状態となった。循環動態を安定させた後, 緊急血管造影検査を施行し, 前下膵十二指腸動脈瘤破裂と診断された。プラチナマイクロコイルにて動脈瘤の塞栓術を施行し, 以後全身状態は安定した。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.25.83