知的障害児への支援

本論文では, 食事に困難を抱える知的障害児に対して, 0歳~6歳までの通園施設で実施している支援から得られた若干の知見について報告した. 当園では, 全体的な発達と大いに関係している彼らの食事の問題を「食事療育」と称してアプローチしている. 食事の評価や指導をするために必要な知的障害児が食べる能力を獲得するための要因, そして, 主に, ダウン症児と自閉症児に焦点をあて, 食事の特徴と観察ポイントについて述べている. また, 知的障害児の食事の対応として, 以下の視点から述べた. (1)姿勢, (2)口周辺と口腔の感覚, (3)摂食機能を育てる食形態の調整, (4)自分で食べる, (5)食物内...

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Published inコミュニケーション障害学 Vol. 24; no. 2; pp. 129 - 137
Main Author 高倉めぐみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本コミュニケーション障害学会 30.08.2007
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ISSN1347-8451

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Summary:本論文では, 食事に困難を抱える知的障害児に対して, 0歳~6歳までの通園施設で実施している支援から得られた若干の知見について報告した. 当園では, 全体的な発達と大いに関係している彼らの食事の問題を「食事療育」と称してアプローチしている. 食事の評価や指導をするために必要な知的障害児が食べる能力を獲得するための要因, そして, 主に, ダウン症児と自閉症児に焦点をあて, 食事の特徴と観察ポイントについて述べている. また, 知的障害児の食事の対応として, 以下の視点から述べた. (1)姿勢, (2)口周辺と口腔の感覚, (3)摂食機能を育てる食形態の調整, (4)自分で食べる, (5)食物内容の拡がり, (6)健康管理. 食事療育において, 主に, 自己達成感を育てることと, 誤学習を回避することが, 彼らの発達支援や家族支援を行っていくために大切であると考えている.
ISSN:1347-8451