血清ペプシノゲン法とヘリコバクターピロリ抗体価を用いた胃の‘健康度’評価 同日に行った内視鏡検査を基準として

血清ペプシノゲン (PG) 法, ヘリコバクターピロリ (Hp) 抗体価測定, および, 内視鏡検査を同じ日に行った人間ドック受診者5032例 (男性3497例, 女性1535例, 24歳-89歳, 平均51.2歳) を対象とし, Hp抗体 (-) PG法 (-) をA群, Hp抗体 (+) PG法 (-) をB群, PG法 (+) をC群とグループ分類し, 同日に行った内視鏡検査と比較検討した。血液検査と同じ日に行った内視鏡検査で発見した胃癌は33例であったが, 27例がC群, 5例がB群, PG法陰性恥判定保留群が1例であった。A群から発見された胃癌は1例もなかった。C群での胃癌発見率2....

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Published in日本消化器集団検診学会雑誌 Vol. 43; no. 3; pp. 332 - 339
Main Authors 吉原, 正治, 谷, 充理, 井上, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器がん検診学会 15.05.2005
Subjects
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ISSN1345-4110
2186-7321
DOI10.11404/jsgcs2000.43.3_332

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Summary:血清ペプシノゲン (PG) 法, ヘリコバクターピロリ (Hp) 抗体価測定, および, 内視鏡検査を同じ日に行った人間ドック受診者5032例 (男性3497例, 女性1535例, 24歳-89歳, 平均51.2歳) を対象とし, Hp抗体 (-) PG法 (-) をA群, Hp抗体 (+) PG法 (-) をB群, PG法 (+) をC群とグループ分類し, 同日に行った内視鏡検査と比較検討した。血液検査と同じ日に行った内視鏡検査で発見した胃癌は33例であったが, 27例がC群, 5例がB群, PG法陰性恥判定保留群が1例であった。A群から発見された胃癌は1例もなかった。C群での胃癌発見率2.27% (27/1192) はA群の0% (0/1206), B群の 0.22% (5/2252) に比し, 有意に (p<0.01) 高率であった。胃腺腫は9例発見されたがすべてC群であった。過形成性ポリープはC群で最も高率であり, 次いでB群であった。消化性潰瘍の頻度はB群で 24.5%と最も高率であり, 次いでC群の9.6%であった。A群における消化性潰瘍の頻度は非常に低率であった。以上より, C群は胃癌など胃粘膜萎縮を背景とする疾患の高危険群であり, 一方, A群は胃疾患の低危険群と考えられ, 血液検査の胃検診への応用が期待された。
ISSN:1345-4110
2186-7321
DOI:10.11404/jsgcs2000.43.3_332