野菜・果物における病原微生物検出検査法の検討 ―腸管出血性大腸菌, サルモネラとリステリアの検出

「緒言」「食中毒事件録」より得られた最近の食中毒発生状況を事件数で見ると, サルモネラ, 腸炎ビブリオ, 病原大腸菌, カンピロバクター, が上位を占めている. それらの中で, 野菜や果物を原因食品とする場合, サルモネラと病原大腸菌(特に腸管出血性大腸菌O157(O157))に関して事件が集中している. サルモネラの事件においてはサラダやおひたし(和え物を含む)が, また, O157の事件においてはサラダが原因食品として多かった7). これらの事件では, 元々原因菌が野菜や果物に存在していたのか, 二次汚染として原因となったのかさらなる検討を要する場合もあるが, 野菜での基礎データは少ないこ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 19; no. 2; pp. 47 - 55
Main Authors 宮原美知子, 後藤公吉, 正木宏幸, 斉藤章暢, 金子誠二, 増田高志, 小沼博隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品微生物学会 30.09.2002
Online AccessGet full text
ISSN1340-8267

Cover

More Information
Summary:「緒言」「食中毒事件録」より得られた最近の食中毒発生状況を事件数で見ると, サルモネラ, 腸炎ビブリオ, 病原大腸菌, カンピロバクター, が上位を占めている. それらの中で, 野菜や果物を原因食品とする場合, サルモネラと病原大腸菌(特に腸管出血性大腸菌O157(O157))に関して事件が集中している. サルモネラの事件においてはサラダやおひたし(和え物を含む)が, また, O157の事件においてはサラダが原因食品として多かった7). これらの事件では, 元々原因菌が野菜や果物に存在していたのか, 二次汚染として原因となったのかさらなる検討を要する場合もあるが, 野菜での基礎データは少ないことから6), 素材としての野菜における病原微生物汚染実態を検討することにした. しかしながら, 野菜や果物の病原微生物検査法に関しては一般的な方法がないので, 検査法を検討することにした. 腸内細菌であるO157やサルモネラが, 野菜や果物に存在していたとしたら, 菌の状態は最良ではない, つまり, 損傷菌のような状態でいるであろうことは考えられた12).
ISSN:1340-8267