障害の重い乳幼児に対する摂食・嚥下アプローチ:チームアプローチの観点から
障害の重い乳幼児においては, 多岐にわたる機関や職種が摂食・嚥下アプローチを行う場合が多く, チームアプローチは不可欠である. 今回, 摂食・嚥下障害を有する重度障害乳幼児の家族に対して, 摂食・嚥下障害に関わる機関や職種の連携状況について実態を把握するためにアンケート調査を行い, (1)約半数が複数の機関や職種による関わりを受けており職種も多岐にわたる, (2)複数の機関や職種が関わることには肯定的であるが, その連携については不十分と感じているといった実態が明らかになった. また, 通園施設と小児リハビリテーション専門機関の双方で関わった事例, および経管栄養に対する家族の葛藤の大きかった...
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Published in | コミュニケーション障害学 Vol. 24; no. 2; pp. 111 - 118 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本コミュニケーション障害学会
30.08.2007
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ISSN | 1347-8451 |
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Summary: | 障害の重い乳幼児においては, 多岐にわたる機関や職種が摂食・嚥下アプローチを行う場合が多く, チームアプローチは不可欠である. 今回, 摂食・嚥下障害を有する重度障害乳幼児の家族に対して, 摂食・嚥下障害に関わる機関や職種の連携状況について実態を把握するためにアンケート調査を行い, (1)約半数が複数の機関や職種による関わりを受けており職種も多岐にわたる, (2)複数の機関や職種が関わることには肯定的であるが, その連携については不十分と感じているといった実態が明らかになった. また, 通園施設と小児リハビリテーション専門機関の双方で関わった事例, および経管栄養に対する家族の葛藤の大きかった事例の経過についてふりかえり, 明確な目的をもって他職種を巻き込みながらチームをコーディネートしていくこと, 専門職としての主体性をもちながら家族の気持ちを代弁していくことが, 言語聴覚士の重要な責務であると示唆された. |
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ISSN: | 1347-8451 |