房室ブロックを伴った家族性Amyloidosis

「要旨」長野県北部にみられるアミロイドーシスは家族性で特異な神経症状を伴っている. 神経所見を除外すると原発性アミロイドーシスはほとんど同一の病理変化がみられる. 完全房室ブロックを伴った本症の1例にペースメーカー治療を行った. 心内電位の低下, 高刺激閾値, 神経, 筋の生検所見より心筋, 刺激伝導系に広範な変化が推測される. 本症では心筋症と同様, 心筋の変化は進行性と考えられる. ペースメーカー治療は残存する機能心筋に左右される. ペースメーカー治療の普及に伴い, 今後の問題点と考えられる. Familial Amyloid Neuropathyに関しては鬼頭らにより詳細な報告がなされて...

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Published in医療 Vol. 31; no. 10; pp. 1136 - 1140
Main Authors 安西信行, 入山正, 山田学, 石原茂樹, 鬼頭昭三, 糸賀叡子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医療同好会 01.10.1977
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ISSN0021-1699

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Summary:「要旨」長野県北部にみられるアミロイドーシスは家族性で特異な神経症状を伴っている. 神経所見を除外すると原発性アミロイドーシスはほとんど同一の病理変化がみられる. 完全房室ブロックを伴った本症の1例にペースメーカー治療を行った. 心内電位の低下, 高刺激閾値, 神経, 筋の生検所見より心筋, 刺激伝導系に広範な変化が推測される. 本症では心筋症と同様, 心筋の変化は進行性と考えられる. ペースメーカー治療は残存する機能心筋に左右される. ペースメーカー治療の普及に伴い, 今後の問題点と考えられる. Familial Amyloid Neuropathyに関しては鬼頭らにより詳細な報告がなされている. 1)2)3)本症例も鬼頭らが報告した1家系の1症例である. 定型的な神経症状の外に完全房室ブロックを呈し, Adams Stokes発作があったため, 体外ペーシングを行った. 経過観察するも房室ブロックは全く改善せず, ペースメーカーを中止すると完全な心停止状態となった. この症例に体内ペースメーカーの治療を行った.
ISSN:0021-1699