体表面マッピングにて異常パターンを呈する特発性心室細動 特発性心室細動と考えられた症例とBrugada症候群との比較

特発性心室細動 (IVF) は, 明らかな器質的心疾患を認めずに心室細動をきたすprimary electrical diseaseと考えられている.我々は当科において経験した, IVFと考えられた5例に対し加算平均心電図 (SAE) と87点体表面マツピング (B-map; QRST integral map) を施行し, Brugada症候群23例と比較検討した.SAEでは, 両群ともにRoot Mean Square値 (RMS) はより小さく, Low Amplitude Signal値 (LAS) はより延長傾向であったが有意差は認めなかった.QRST isointegral map...

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Published in心電図 Vol. 24; no. Suppl4; pp. 50 - 54
Main Authors 永原, 大五, 藤井, 徳幸, 土橋, 和文, 鵜野, 起久也, 下重, 晋也, 島本, 和明, 野田, 亮輔, 西里, 仁男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 19.11.2004
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.24.Suppl4_50

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Summary:特発性心室細動 (IVF) は, 明らかな器質的心疾患を認めずに心室細動をきたすprimary electrical diseaseと考えられている.我々は当科において経験した, IVFと考えられた5例に対し加算平均心電図 (SAE) と87点体表面マツピング (B-map; QRST integral map) を施行し, Brugada症候群23例と比較検討した.SAEでは, 両群ともにRoot Mean Square値 (RMS) はより小さく, Low Amplitude Signal値 (LAS) はより延長傾向であったが有意差は認めなかった.QRST isointegral mapにおいて, widenegativeパターンは, IVFで5例中4例に認めた.Brugada症候群では9例に認め, 失神の既往例2例・VFが確認された症例1例・夜間突然死1例の, 計4例を含んでいた.IVFにおけるSAEやB-mapの意義は不明であり, 本検討では5例のみの検討であり本所見をもって臨床的有用性を示すことはきわめて困難である.しかし, あるサブセットのIVFにおける心電図学的異常を検出するうえでSAEやB-mapが有用な情報を与えてくれる可能性は否定できず, 今後のさらなる検討が必要である.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.24.Suppl4_50